AI学習お悩み別生成AI(LLM) AIエンジニアリングClaude何から始めたらいいか分からないChatGPTAIを体系的に学びたい

新人に「いい感じにやっといて」は通じない|プロンプトエンジニアリング

AIに指示しても思った通りに返ってこない原因は、頼み方にあります。役割・条件・形式・禁止事項の4つで書く型と、多くの人が抜かしている「やってほしくないこと」の書き方を解説します。

AI大将が、指示書を手にした新人のAI社員に、役割・条件・形式・禁止事項の4項目を説明している図

ChatGPTに何回頼んでも、思っていたのと違うものが返ってくる。同じことをもう一回聞き直して、微妙に外れて、また聞き直す。それ、AIの性能の問題やないで。頼み方が4つ足りてへんだけや。今日はその4つを、新人への仕事の頼み方に重ねて渡していくで。

結論:頼み方は4つ書けば足りる

先に答えを言うとく。AIへの指示がぶれる原因は、ほとんどの場合4つのうちのどれかが抜けてる。**役割・条件・形式・禁止事項。**この4つを書けば、同じAIでも返ってくるものがまるで変わる。

大事なのは、モデルを変えたわけでも、有料プランに課金したわけでもないということです。無料のチャット画面のまま、頼み方だけを変える。それだけで「なんかふわっとしてる」返答が、「そのまま使える」返答に変わっていく。

この記事では、その4つの中身と、多くの人が最後まで書かずに終わる「④禁止事項」の効き目を、実際の依頼文を並べて見せていく。むずかしい理論の話やない。今日の1回の頼み方を変える話や。

「テクニックを覚える」というより、「新人に仕事を頼むときの頭の使い方を、そのままAIに向ける」という話に近い。すでにみんな知っていることを、AIへの指示という形に翻訳するだけやから、覚えることは実質何もない。

この記事で分かること

  • プロンプトが安定しない原因は、書いてないことにあると分かる
  • 役割・条件・形式・禁止事項という4つの型が具体的に分かる
  • 同じAIで、頼み方だけを変えたビフォー・アフターが分かる
  • 今の自分の頼み方に、今日1行だけ足せるものが分かる

5つのうち、いまはこの話

AIとの付き合い方には、5つの考え方がある。前回、AI社員を「雇う」という視点でこの5つの全体像を見た。今回はそのうちの1つ、プロンプトの話や。

プロンプトは、いちばん最初に触るところ。新人が来た日に、まず何を頼むか。そこの精度を上げる話やから、AIをこれから使い始める人にも、もう毎日使こてる人にも関係がある。

コンテキスト(渡す資料)、ハーネス(机や道具)、ループ(出す前の確認)、グラフ(分担)は、次回以降で扱う。今はまだ、**「何を頼むか」だけに集中してくれ。**ここが甘いと、資料をどれだけ渡しても、道具をどれだけ揃えても、指示自体が空回りする。順番として、まずここから固めるのが正しい。

新人にたとえるなら、初日に引き継ぎ資料の分厚いファイルを渡しても、そもそも「今日何をすればいいか」が伝わってへんかったら、資料をただ眺めるだけで終わってしまう。まず「これを頼む」という一言が固まって、そこに資料や道具が乗っていく。プロンプトはその一番土台の部分にあたる。

プロンプトエンジニアリングがAI社員育成の5つの考え方のうち、いま何番目の話にあたるかを示す位置づけ図

新人に「いい感じにやっといて」と言う上司はおらん

新人が入社した初日に、「この仕事、いい感じにやっといて」とだけ言う上司はおらんやろ。何をする仕事か、どこまでやったらええか、どんな形で出すか、やったらあかんことは何か。そこまで言うて、はじめて新人は動ける。

AIへの指示も、これとまったく同じ構造をしとる。「〇〇をいい感じにまとめて」と頼んだとき、AIは新人と同じ状態にいる。仕事の輪郭が分からへんまま、それでも何か出さないといけないから、当たり障りのない一般論を返してくる。これは、AIの理解力が足りてへんのやなくて、こっちが渡した情報が足りてへんのや。

ここを勘違いしてる人が実は多い。「AIが賢くなれば、そのうち『いい感じに』でも通じるようになる」と思っている人。でも、これは性能の問題やなくて構造の問題です。人間の新人だって、どれだけ優秀でも、初日に「いい感じにやっといて」だけで動けと言われたら、何かしらの答えを出す。ただしそれは、上司が本当に欲しかったものにはならへん。AIも同じことをしている。

試しに、頭の中で新人への指示を思い出してみてほしい。「この請求書、いい感じにチェックしといて」とは言わへんはずや。「金額と振込先の桁を照合して、違っていたら赤字で印をつけて、今日中に戻して」と、具体的な言葉が自然と出てくる。仕事を頼むときの頭の使い方は、実はもう体に染みついとる。それをそのままAIへの指示として文字にするだけで、結果は変わるんや。

だから、この記事でやることは1つだけや。**新人に仕事を頼むときに、自然と言葉にしていることを、AIへの指示でも同じように言葉にする。**特別な呪文や裏技は要らん。誰でも今日から使える型として、次の章で4つに分けて渡すで。

頼み方の4つ

新人に仕事を頼むとき、頭の中で無意識に押さえていることを、順番に言葉へ出してみる。それがそのまま、AIへの指示の型になる。4つとも書けと言われると身構えてしまうかもしれへんけど、1つずつは短い一文で十分や。順番に見ていくで。

① 役割|誰として書くか

同じ「お客さん向けの文章を書いて」でも、新人に「うちの店の店長として書いて」と言うのと、何も言わずに書かせるのとでは、出てくる文章の温度がまるで違う。店長という立場が決まった瞬間、言葉遣い、責任の取り方、踏み込む距離感が自然と決まるからや。

AIへの指示でも、この一言が効く。「お客さん対応を10年やってきた店長として」と役割を渡すだけで、文体だけやなく、判断の基準まで変わる。役割を渡さずに書かせた文章が、どこか他人事の説明文っぽくなるのは、AIが「誰として答えるか」を自分で決めきれていないからです。役割は、いちばん軽くて、いちばん効きが早い一言になる。

SNS投稿の下書きを頼む場面でも同じことが起きる。「投稿文を考えて」とだけ頼むと、誰が言っているのか分からない一般論が出てくる。「10年続けている整体院の院長として、常連さんに向けて」と役割を渡すと、言葉の距離感が一気に近づく。役割は業種や職種である必要すらなく、「初めてこのサービスを使う人に説明する担当として」のように、立場を渡すだけでも十分に効く。

② 条件|どこまでやるか

役割を渡しても、まだ足りひんことがある。それが条件、つまり「どこまでやるか」の線引きや。

文字数、含めること、含めないこと。新人に「クレーム対応の返信、書いといて」とだけ言うと、長さも内容もバラバラなものが出てくる。でも「300字前後で、謝罪は1回だけ、次にどうするかを必ず入れて」と条件を渡せば、新人は迷わず動ける。AIも同じ。条件を渡さないまま「うまく書いて」と頼むのは、ゴールの位置を教えずに走れと言っているのに近い。

条件は、多いほど良いというものでもない。大事なのは、その仕事にとって外せない線だけを渡すことや。議事録の整理なら「決定事項と宿題を分ける」、資料のたたき台なら「見出しは3つまで」。何を含めて、何を含めないか。ここが決まっていない依頼は、AIにとって「どこまでやればゴールか分からない」状態のままになる。

③ 形式|どんな形で出すか

3つ目は、出てくるものの形。表で欲しいのか、箇条書きで欲しいのか、そのまま送れる文章で欲しいのか。ここを指定しないと、頼むたびに形が変わって、毎回自分で整え直す羽目になる。

これは地味に見えて、実務ではいちばん時間を食う部分や。せっかく中身は合っているのに、形式が毎回違うせいで、コピペするたびに手直しが発生する。「件名と署名は要らない、本文だけをそのまま送れる形で」まで書いておけば、AIが出したものをそのまま使える確率がぐっと上がる。

議事録なら「表形式で、決定事項→宿題の順に並べる」、SNS投稿なら「本文と、投稿に添えるハッシュタグを分けて出す」。形式を指定するときは、頭の中で「これをコピーしたら、どこにそのまま貼れるか」を思い浮かべながら書くとええ。貼った先の姿がそのまま出てくる指示が、いちばん手直しが少ない。

④ 禁止事項|やってほしくないこと

ここが、この記事でいちばん伝えたいところや。わし、正直この項目だけは絶対に端折りたくない。

役割・条件・形式まで書いても、まだ足りないことがある。それが「やってほしくないこと」を書くことです。多くの人がプロンプトの話でつまずいているのは、実はここまで来ていないからなんや。「具体的に指示しましょう」で止まってしまって、その具体的の中身に禁止事項が入るということに、誰も触れてへん。

考えてみたら当たり前の話やねん。新人に仕事を頼むとき、「これをやって」だけを言う上司もおらんやろ。「価格は勝手に確約せんといて」「謝罪の言葉は1回で十分やで」「お客さんの個人情報には触れんといて」。**やってほしいことと同じ分量、やってほしくないことも言葉にしてる。**それを言わずに新人に任せた結果、後で「なんでそんなこと書いたん」とやり直しになるのは、新人が悪いんやなくて、伝え忘れたこっちの責任や。

AIへの指示も同じ構造になっている。禁止事項を書いていない依頼は、出てくるものが安定しない。逆に言うと、禁止事項を1行足すだけで、返ってくるものが急に安定しはじめる。

なんで、みんな禁止事項を書き忘れるんやろか。理由は単純で、頼む側にとって「やってほしくないこと」は当たり前すぎて、わざわざ言葉にする発想が浮かばへんからや。「お客さんへの返信で、勝手に値引きを約束したらあかん」なんて、頼む側からしたら常識のレベルの話。せやからこそ、口に出さずに済ませてしまう。でもAIは、その「当たり前」を共有してへん。言葉にされていないルールは、存在しないのと同じ扱いになる。次の章で、実際にこの4つを全部使った例を見てもらうで。

指示書に役割・条件・形式・禁止事項の4つの欄が並び、禁止事項の欄だけが赤で強調され「ここ、みんな空欄のまま」と添えられた図解

ハツネに、最初の仕事を頼んでみる

前回、AI社員に名前をつけた。うちの新人は「ハツネ」という名前になっとる。ハツネに、初めての仕事を頼んでみるで。任せるのは、お客さんからの問い合わせに、返信の下書きを用意する係や。

まず、4つを何も書かずに頼んだ場合。ハツネに「お客さんからのクレームメール、いい感じに返信作って」とだけ言うたとする。

お問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
この度はご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
いただいたご意見は真摯に受け止め、今後の改善に努めてまいります。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

一見、ちゃんとしてるように見えるやろ。せやけど、この文面には具体的なことが何一つ書かれてへん。お客さんが何に困っていたのか、これからどうするのか、返信を読んだ人が次に何をすればいいのか。全部抜け落ちてる。これは新人が悪いんやなくて、頼んだ側が具体的な中身を渡していないからや。

次に、同じハツネに、4つを全部渡して頼んでみる。

役割:お客さん対応を10年やってきた店長として
条件:300字前後。謝罪は1回だけ。次にどうするかを必ず入れる
形式:そのまま送れる本文だけ。件名と署名は不要
禁止事項:価格・納期を勝手に確約しない。「申し訳ございません」を3回以上使わない

これを渡した上で、同じお客さんの問い合わせを見せると、返ってくるものはこう変わる。

このたびは、ご注文いただいた商品の到着が遅れており、ご不便をおかけしておりますこと、申し訳ございません。
現在、配送を担当している業者へ状況を確認しており、本日17時までに正確な到着予定日をあらためてご連絡いたします。
到着が遅れている具体的な理由についても、判明し次第あわせてお伝えいたします。
また、確認の過程で商品に何らかの不備が見つかった場合は、その内容もあわせてご報告いたします。
ご連絡までの間、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
今回のことを踏まえ、配送状況を早い段階で把握できるよう、社内の確認体制につきましても見直してまいります。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

謝罪は1回。次にどうするかがはっきり入っている。価格や納期の確約もしていない。300字前後で、そのまま送れる形になっている。モデルを変えたわけでも、有料プランに切り替えたわけでもない。同じAI、同じ無料のチャット画面。変えたのは頼み方だけや。

この2つの返信文を並べて見ると、違いは文章のうまさやない。どこまで具体的な仕事の輪郭を渡したか、の差や。1つ目は「クレームに謝る」という大枠しか渡っていないから、AIは無難な範囲でしか動けへん。2つ目は「誰として、どこまで、どんな形で、何をせずに」がすべて渡っているから、ハツネは迷わず、その枠の中で最善を尽くせる。新人に仕事を任せるときと、まったく同じ理屈や。

ここまで見ると、「毎回こんなに書くのは面倒くさい」と思うかもしれへん。それは正しい感覚です。毎回ゼロから4つを書き直すのは、たしかにしんどい。この面倒さをどう解消するかは、次回の話になるから、今回はまず「4つ書くと変わる」という実感だけ持って帰ってくれたらそれでええ。

お客さんからの問い合わせに対し、何も条件を書かずに頼んだ場合と役割・条件・形式・禁止事項の4つを渡して頼んだ場合の返信文を左右に並べたビフォー・アフター図解

わしの現場では|画像を作らせるときの指示

ここからは、わしが実際にやっとることを話すで。この記事のサムネイルも含めて、AI大将のサイトで使こてる画像は、全部AIに生成させとる。その指示文で、いちばん時間をかけとるのが禁止事項なんや。

わしがAI大将のキャラクター画像を作らせるとき、実際に指示に入れとるのがこれや。

3色ルール(黒・白・赤をカラーコード指定で固定する)
グラデーション・パステルカラーは禁止
角丸は全面禁止。90度の鋭いコーナーのみ使う
ドロップシャドウ・ぼかしは禁止

最初のうちは、「AI大将サイトのトンマナで、セミナーの表紙画像を作って」とだけ頼んでいた時期があった。せやけど、これだけやと毎回ちがう雰囲気の画像が出てくるんや。ある回はパステルカラーで柔らかい印象になり、別の回は角が丸くて可愛らしい印象になる。どれも悪くはないんやけど、同じサイトの画像とは思えへん、バラバラな仕上がりになってしまう。

原因は分かってた。「トンマナ」という言葉だけでは、AIにとって具体的な指示になってへんかったからや。トンマナという言葉の中に、わしが本当に伝えたかった「グラデーションは使わない」「角は丸めない」「影はつけない」が、全部隠れたまま渡ってへんかった。

そこで、やりたいこととやりたくないことを、同じ分量だけ書き出すことにした。3色をカラーコードで固定し、グラデーションとパステルを名指しで禁止し、角丸を全面禁止にして90度の鋭いコーナーだけを使うと決め、ドロップシャドウとぼかしも禁止した。これを書いた後から、生成される画像の雰囲気が急に揃いはじめたんや。指示を増やしたわけやない。**やってほしくないことを、やってほしいことと同じだけ書いただけ。**それだけで、毎回ちがう雰囲気になっていた問題がほぼ解消した。

「自社のトンマナで作って」だけでは弱い、というのはこの経験から来てる。トンマナという抽象語の中身を、色・形・装飾のレベルまで分解して、やってほしいこととやってほしくないことの両方を渡す。ここまでやって、実務で安定して使えるレベルの指示になる。

この4つの禁止事項は、一度書いたら終わりやない。生成された画像を見返して、「これはあかんな」と思った要素があれば、そのたびに禁止リストへ足していっとる。今の4項目も、最初から4つ揃っていたわけやなくて、失敗を重ねながら増えていったもんや。禁止事項は、頼む前に完璧に用意するものやなくて、使いながら育てていくものだと捉えといたらええ。

どこまでやるか|長ければええわけやない

ここまで4つの型を渡してきたけど、勘違いしてほしくないことが1つある。プロンプトは長ければ長いほどええ、というものやない。

ちょっとチャットで軽く聞くだけの場面、たとえば「この言い回し、もっと柔らかくして」みたいな一言のやりとりに、毎回役割・条件・形式・禁止事項の4つをフルで書く必要はあらへん。そんなことをしたら、逆に頼むこと自体が面倒になって、AIを使う頻度が減ってしまう。それでは本末転倒や。

4つが効いてくるのは、お客さんに送る文章、社外に出す資料、サイトに載せる画像みたいに、出来上がりの精度が仕事の結果に直結する場面や。逆に、自分用のメモを整理したいだけの場面や、アイデアを雑に壁打ちしたいだけの場面では、いきなり本題を投げてしまってええ。

必要なことを漏らさず、余計なことを書かない。この線引きができれば、4つの型は道具として使いこなせるようになる。長い指示文をコピペで貼り付けることが目的やない。その場面に必要な分だけ、自分の言葉で渡せるようになることが目的や。

判断に迷ったときの目安を1つ渡しとく。「この返答をこのままお客さんに送るか、このまま資料として提出するか」と自問して、送れない・出せないなら4つをきちんと書く。自分の下書き用、社内だけのメモ用なら、そこまで気を張らんでええ。出す相手がいるかどうかで線を引くと、迷わへん。

やり方|今日ためす1行

理屈は分かった、というところで、今日やる手順に落とし込むで。

  1. **よく使う頼みごとを1つ選ぶ。**メール返信、SNS投稿の下書き、議事録の整理。今週すでに何度か使こたものでええ
  2. **役割・条件・形式のうち、抜けているものを探す。**いつも使こてる指示文を見返して、この3つのうちどれかが書かれていないか確認する
  3. 禁止事項を1行だけ足す。「〜は含めない」「〜という言い回しは使わない」。1行でええから、必ず書く
  4. **同じ依頼を、もう一度出してみる。**前回の答えと見比べて、何が変わったかを実際に確かめる

この4ステップは、どれも今日中に終わる。特別なツールも設定も要らん。今使こてるチャット画面のまま、次の依頼で試すだけでええ。1回で劇的に変わらなくても焦らんでええ。禁止事項の書き方は、使いながら精度が上がっていくもんや。

自分の仕事に置き換えるための表を用意した。うちの新人ハツネに問い合わせ返信を任せた例と、自分の欄を並べて書けるようにしとる。

決めること例(問い合わせ返信の下書き)あなたの場合
役割お客さん対応を10年やってきた店長として____
条件300字前後。謝罪は1回だけ。次にどうするかを必ず入れる____
形式そのまま送れる本文だけ。件名と署名は不要____
禁止事項価格・納期を勝手に確約しない。「申し訳ございません」を3回以上使わない____
今日ためすこと禁止事項を1行だけ足して、もう一度頼む____

この表で肝心なのは、上から順番に全部埋めることやない。**すでに書けている項目は飛ばして、空欄になっている項目だけを埋める、という使い方でええ。**多くの場合、役割と条件はなんとなく書けていて、形式と禁止事項が空欄のままになっている。空欄が多い項目こそ、今のプロンプトが安定しない原因になっている場所や。埋め終わったら、その内容をそのままAIへの指示に貼り付けて、いつもの依頼をもう一度出してみてくれ。

今日やることとして「やってほしくないこと、1行だけ足す」という中央の文字と、4つのステップ、最後に1行でええという励ましのメッセージが並ぶ図解

つまずきやすいところ

ここまで読んで、実際にやってみると引っかかるところが出てくるはずや。よくあるつまずきを先に潰しとく。

長く書けばいいと思ってしまう

4つの型を知った直後にありがちなのが、とにかく全部を長々と書き連ねてしまうパターンや。役割も条件も形式も禁止事項も、思いつく限り詰め込むと、逆にAIがどこを優先していいか分からなくなることがある。1つの依頼につき、それぞれの項目は1〜2文で十分。短くても、具体的であれば効く。長さで安心しようとせず、具体性で安心する方に頭を切り替えてくれ。

禁止事項を書かない

いちばん多いつまずきがこれや。役割・条件・形式までは書けているのに、禁止事項だけが空欄のまま。この記事で伝えたかったのはまさにここで、**空欄を埋めるだけで、安定感が一段階上がる。**まず1行、書いてみてほしい。何を書けばいいか迷ったら、「これまでにAIの返答を直したことがある箇所」を思い出すとええ。直した経験がある箇所は、そのまま禁止事項の候補になる。

毎回ゼロから書き直している

依頼のたびに、役割・条件・形式・禁止事項をイチから考え直していると、いずれ面倒になって元の「いい感じにやって」に戻ってしまう。同じ種類の仕事なら、一度書いた4つを使い回して構わない。使い回しの仕組みそのものは、次回のコンテキストの話でさらに整理していく。

例を1つも見せていない

役割・条件・形式・禁止事項を全部書いても、出てほしい形の実例を1つも見せていないと、AIは想像で埋めることになる。「こんな感じで」と、実際の文例を1つだけ添えるだけで、ぶれ幅がぐっと小さくなる。すべてを言葉で説明しようとせず、見せた方が早い場面もあるんやで。

よくある質問

プロンプトのテンプレートをそのまま使ってもいいですか?

はい、問題ありません。ただし、テンプレートの穴埋めだけで終わらせず、自分の仕事の役割・条件・形式・禁止事項に必ず置き換えてください。他人の仕事向けに作られたテンプレートをそのまま使うと、条件や禁止事項の部分が自分の実情と合わず、結局は思った通りの答えが返ってこない状態に戻ってしまいます。テンプレートは出発点、最後に自分の言葉で埋め直す一手間が欠かせません。

英語で書いた方が精度は上がりますか?

必須ではありません。日本語でも、役割・条件・形式・禁止事項の4つが具体的に書かれていれば、十分に安定した答えが返ってきます。英語にすることで精度が上がるという声もありますが、それよりも4つの型が抜けていないかを先に確認する方が、効果としてはるかに大きいです。

無料版のAIでも効果はありますか?

あります。この記事で紹介した4つの型は、有料プランやモデルの性能に関係なく効きます。むしろ無料版を使っている人ほど、頼み方の差が結果の差に直結しやすいので、先に試す価値があります。有料プランへの切り替えを検討する前に、まず頼み方を見直す方が、費用をかけずに済む分だけ確実です。

毎回4つを書くのが面倒です。何か楽になる方法はありますか?

同じ種類の仕事なら、一度書いた4つを使い回して構いません。毎回ゼロから考え直す必要はなく、保存しておいた指示文をコピーして、依頼の中身だけを差し替える形で十分です。この「渡す資料をどう用意しておくか」というテーマは、次回のコンテキストエンジニアリングでさらに深く扱います。

まとめ|今日やる一歩

長々書いてきたけど、この記事で持って帰ってほしいのはこれだけや。

  1. AIへの指示がぶれるのは、性能の問題やなくて、役割・条件・形式・禁止事項のどれかが抜けているだけ
  2. 特に禁止事項を書いていない人が多い。ここを1行足すだけで、返ってくるものが安定しはじめる
  3. 長く書けばいいわけやない。仕事の結果に直結する場面でだけ、4つをきちんと使えばええ 今日やることは1つだけや。**いま使こてるプロンプトに、「やってほしくないこと」を1行だけ足して、もう一度頼み直してくれ。**それだけで、返ってくるものが変わるのを、自分の目で確かめてみてほしい。

今日はまだ、ハツネに何かを覚えさせたわけやない。頼み方を変えただけで、ハツネ自身は何も変わってへん。それでも出てくるものがここまで変わるということは、多くの人がAIとのやりとりで損してるんは、AIの実力やなくて、頼む側の伝え方やったということになる。

ただ、この4つを毎回書き直すのは、正直ちょっと面倒や。次回は、その面倒さを解消する話をする。ハツネに引き継ぎ資料を渡して、うちのやり方を覚えてもらう、コンテキストエンジニアリングの話やで。

引き継ぎ資料を渡さずに、仕事はできひん|コンテキストエンジニアリングへ進むと、この面倒さを解消する続きが読めます。5つの設計思想の全体像から知りたい人は、AIを「雇う」と考えたら、5つの設計思想が全部つながったを先に読んでおくと、シリーズ全体の流れがつかめます。